モダナイゼーションは、企業のDX推進において重要な役割を果たします。本記事では、モダナイゼーションの定義から重要性、具体的なアプローチ方法、成功させるためのポイントまでを詳しく解説します。モダナイゼーション導入支援をしている会社についても紹介していますので、委託先を検討している方には併せてご検討をお願いいたします。
目次 [非表示]
1.モダナイゼーションとは?概要と重要性
1章ではそもそもモダナイゼーションってどういう意味なのか?概要とその重要性について解説します。

1-1.モダナイゼーションの定義と目的
モダナイゼーションとは、既存のシステムやアプリケーションを新しいシステムに置き換えることを指します。「古いシステムを今の時代に合わせる」と覚えると良いかもしれません。これは単なるシステムの置き換えやリプレイスとは異なり、ビジネス価値の向上、運用コストの削減、そして市場や技術の変化に対する迅速な対応能力の獲得といった、より広範な目的を含んでいます。
企業が競争力を維持して成長を続けるためには、モダナイゼーションは必要な取り組みとも言えるのではないでしょうか。古いシステムは、しばしば技術的な負債となり、企業のイノベーションを阻害する要因となります。モダナイゼーションを通じて、企業はこれらの課題を克服し、より柔軟で効率的なビジネス運営を実現できます。
古いシステムのことは、レガシーシステムとも言います。レガシーシステムの詳細は、「レガシーシステムとは?使い続けることで受ける5つの影響」の記事を併せてご参照ください。
1-2.なぜ、モダナイゼーションが重要なのか?
デジタル変革(DX)の加速、ビジネス環境の急速な変化、技術革新の目覚ましいスピードアップなど、企業を取り巻く環境は常に変化し続けています。このような状況下で、従来のシステムでは対応が難しくなってきた新たなビジネスニーズに応えて顧客満足度を向上させるためには、システムの刷新が不可欠ともいえるでしょう。
また、セキュリティリスクの増大や運用コストの増加といった課題もモダナイゼーションによって解決することができます。企業は、変化をチャンスと捉えて積極的にモダナイゼーションに取り組んでも良いのではないでしょうか。
DXについて詳しく知りたい方は、「DX推進がなぜ必要なのか?推進すべき理由と成功事例を紹介」の記事をご参照ください。
1-3.レガシーシステム刷新だけではない、モダナイゼーションの真価
モダナイゼーションは、単に老朽化したシステムを新しいものに置き換えるだけでなく、様々なメリットがあります。例えば、、
- 企業のビジネスプロセスを最適化
- 顧客満足度を向上
- 新たな収益源を創出
- 企業の成長を多岐にわたる面からサポート
これらのメリットが考えられます。ただ単に新しいシステムに置き換えるのではなく先を見据えたモダナイゼーションをすることで企業も成長していくのではないでしょうか。
例えば、クラウド技術の導入によって、システムの拡張性や柔軟性を高め、変化するビジネスニーズに迅速に対応できるようにする。API連携を強化することで、異なるシステム間の連携をスムーズにして業務効率を向上させる。データ分析基盤を新規で増設することで、顧客データを活用したパーソナライズされたサービスを提供して顧客満足度を高めることも可能。
このように、モダナイゼーションは単なる技術的な更新にとどまらず、企業のビジネス全体に変革をもたらす可能性を秘めています。
2.自社に最適な導入手段とは
モダナイゼーションを始めるのにあたりどのような方法があるのか、2章では紹介していきます。
| 手法 | 概要 | ケース |
|---|---|---|
| リフト&シフト | クラウド環境へ移行 | 時間や予算を限りなく節約したい場合 |
| リファクタリング | コードの内部構造を改善 | 既存システムの保守性/可読性/拡張性を高めたい場合 |
| リプレイス | 新システム導入 | 既存システムを捨てて新規システムを入れたい場合 |
2-1.リフト&シフト:クラウドへの移行

リフト&シフトとは、既存のシステムやアプリケーションをほとんど変更を加えることなくクラウド環境へと移行することです。時間や予算に制約がある場合やシステムの大幅な変更を避けたい場合に適しています。
この方法の最大の利点は、迅速に移行できることです。しかし、クラウドのメリットが十分に生かせないケースが出てきます。例えば、スケーラビリティや柔軟性、コスト効率などに注意が必要です。
長期的な視点で見ると、クラウドの機能を最大限に活用するためには、他のモダナイゼーション戦略と組み合わせることが望ましいでしょう。リフト&シフトは、あくまで一時的な解決策として捉えて、段階的にシステムの最適化を進めていくことが重要です。クラウド移行の第一歩として、リフト&シフトを選択し、余裕が出てきたころに後述するリファクタリングやリプレイスといったより高度なアプローチを検討することも可能です。
2-2.リファクタリング:コードの改善
リファクタリングとは、システムの外部から見た動作や機能を変更することなく、コードの内部構造を改善する手法です。
この方法は、システムの保守性、可読性、拡張性を高めることを目的としています。技術的負債を解消して将来的な機能追加や変更を容易にすることが可能です。リファクタリングは、既存システムの価値を最大限に引き出すために有効な手段です。
しかし、専門的な知識と高度なスキルが必要であり、さらには計画的に実施する必要があります。テスト駆動開発(TDD)などの手法を取り入れ、変更による影響を最小限に抑えることが重要となるでしょう。継続的な改善活動の一環として捉え、定期的に実施することで、システムの品質を維持・向上させることができます。
2-3.リプレイス:システム全体の刷新
リプレイスは、既存のシステムを完全に新しいシステムに置き換える方法です。
この方法は、最も大規模な投資が必要となる方法ですが、最新の技術を導入してビジネスニーズに最適化されたシステムを構築できるというメリットがあります。リプレイスは、既存システムが老朽化し、機能拡張が困難な場合やビジネス要件が大きく変化した場合に検討されます。
しかし、リプレイスはリスクも伴うため、慎重な計画と実行が必要です。プロジェクトの規模が大きくなるほど、遅延や予算超過のリスクが高まります。アジャイル開発などの手法を取り入れ、段階的にシステムを移行することで、リスクを軽減することができます。また、ユーザーの意見を積極的に取り入れ、使いやすいシステムを構築することが重要です。
3.モダナイゼーションを検討すべき企業の特徴
モダナイゼーションはすべての企業に必要というわけではありません。しかし、長年運用してきたシステムを抱えている企業では、知らないうちに運用負荷や技術的負債が蓄積しているケースも少なくありません。
ここでは、モダナイゼーションを検討したほうが良い企業の特徴を紹介します。
3-1. 老朽化したシステムを長期間使用している
モダナイゼーションを検討すべき代表的なケースが、長年利用しているシステムを運用している場合です。
例えば、
- 10年以上前に開発したシステムを利用している
- サポート終了予定のOSやミドルウェアを利用している
- 開発当時の技術が現在では使われなくなっている
といった状況では、システムの保守性や安全性が低下する可能性があります。また、新たな機能追加や他システムとの連携が難しくなり、ビジネスの変化に対応しづらくなるケースもあります。
そのため、老朽化したシステムを利用している場合は、モダナイゼーションによる刷新を検討するタイミングといえるでしょう。
3-2. 保守・運用コストが増加している
システムを長期間利用すると、保守や運用にかかるコストが増加する傾向があります。
例えば、
- 障害対応が増えている
- 改修時に多くの工数が必要になる
- ベンダー依存が進んでいる
- 保守費用が年々上昇している
といった課題です。本来は事業成長のために投資すべき予算や人材が、既存システムの維持に費やされてしまうこともあります。
保守・運用コストが経営課題になっている場合、モダナイゼーションによって運用効率の改善やコスト最適化を図れる可能性があります。
3-3. DX推進が進まない
DXを推進したいものの、既存システムが障壁になっているケースも少なくありません。
例えば、
- クラウド活用を進められない
- データ連携ができない
- 新規サービスとの連携が難しい
- API活用が困難
といった課題です。既存システムがブラックボックス化している場合、新しい取り組みを進めるたびに大規模な改修が必要になることがあります。
モダナイゼーションは単なるシステム刷新ではなく、企業のDXを支える基盤づくりとしても重要な取り組みです。
3-4. システムの属人化が進んでいる
システムを理解している担当者が限られている場合も注意が必要です。
例えば、
- 特定の担当者しか仕様を理解していない
- 設計書やドキュメントが存在しない
- 開発ベンダーに依存している
といった状況では、人員の異動や退職によって大きなリスクが生じる可能性があります。属人化が進んだシステムは保守や改修の難易度も高くなるため、モダナイゼーションとあわせてシステム構成や運用体制の見直しを行うことが重要です。
3-5. モダナイゼーションが不要なケース
一方で、すべてのシステムで大規模な刷新が必要というわけではありません。
例えば、
- 現在も安定して稼働している
- 今後大きな機能追加の予定がない
- 保守体制が十分確保できている
- 業務要件の変更が少ない
といったシステムでは、全面刷新ではなく部分的な改修やクラウド移行だけで十分なケースもあります。重要なのは「とりあえず刷新する」のではなく、事業戦略やシステム課題を踏まえて最適なアプローチを選択しましょう。
4.モダナイゼーションの進め方の5ステップ

3章では、具体的にモダナイゼーションをどのように進めたら良いか紹介します。本記事では5つのステップに分けて解説します。
ステップ1:現状分析と課題の明確化
最初のステップは、現状のシステム構成/ビジネスプロセス/技術的な課題などを詳細に分析して、モダナイゼーションの目的と目標を明確にすることです。この段階で、客観的なデータに基づいて現状の課題を洗い出す必要があります。
例えば、システムのパフォーマンス、セキュリティリスク、運用コスト、保守性などを評価して改善が必要な領域を特定します。また、ビジネス上の課題やニーズを把握することも重要なので関連部署との連携は必要でしょう。
現状分析は、単なる技術的な評価にとどまらず、ビジネスへの影響を考慮した総合的な視点で行う必要があります。このステップを丁寧に行うことで、この先のステップも順調に進めることができるでしょう。
ステップ2:最適なアプローチ方法を選定
現状分析の結果に基づき、最適なアプローチ方法を選択して具体的な計画を策定します。ROI(投資対効果)を考慮し、優先順位をつけることが重要です。企業のビジネス目標と整合性が取れている必要があります。
例えば、クラウド移行、API連携、マイクロサービス化など…様々なアプローチがありますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。自社の状況やニーズに合わせて、最適な組み合わせを選択する必要があります。アプローチ方法の手段については2章を参考にしてください。
ステップ3:プロジェクトの実行と進捗管理
続いて計画に基づき、プロジェクトを実行します。進捗状況を定期的に確認し、必要に応じて計画を修正します。アジャイル開発などの手法を取り入れることで、柔軟に対応できます。
プロジェクトの実行段階では、コミュニケーションが非常に重要です。開発チーム、ビジネス部門、運用部門など…関係者間で部署連携を取り、進捗状況や課題を共有する必要があります。また、リスク管理も重要です。予期せぬ問題が発生した場合に備えて事前にリスクを特定して、万が一トラブルが発生した時の対応方針を予め決めておくことが大事になってきます。
また、アジャイル開発は、変化に柔軟に対応できるため、モダナイゼーションに適していると言われています。短い期間で開発とテストを繰り返すことで、早期に問題を発見して修正することができます。プロジェクトの進捗状況は、定期的に経営層に報告して、理解と協力を得ることが重要でしょう。
ステップ4:テストと品質保証
新しいシステムやアプリケーションはリリースする前に徹底的にテストする必要があります。テストをせずに公開してバグだらけでは信頼を失うのでトコトンテストをすることは重要となってきます。
また、バグの確認だけではなくユーザーからのフィードバックを収集し、システムの使いやすさや機能の改善に役立てると良いでしょう。
テストは、単体テスト、結合テスト、システムテスト、受け入れテストなど、順番に追ってテストを行う必要があります。自動テストを導入することで、テストの効率を高め、品質を向上させることに繋げることもできます。
それぞれのテストの違いが知りたい方は下記を併せてご参照ください。
ここでしっかりと品質を担保することで、結果的に運用コストを削減してユーザー満足度を高めることができます。一石二鳥でしょう。
ステップ5:運用と継続的な改善
最後のステップとなりますが、新しいシステムやアプリケーションの運用を開始したら継続的に改善を行うことが必要です。
DevOpsなどの手法を取り入れることで、迅速な改善と安定した運用を実現できます。運用開始後もシステムのパフォーマンスやセキュリティを監視し、問題が発生した場合は迅速に対応する必要があります。ユーザーからのフィードバックを収集して改善に役立てます。DevOpsを取り入れることで、開発チームと運用チームが連携してシステムの開発 → テスト → リリース → 運用を迅速かつ効率的に行うことができます。
継続的な改善は、システムの寿命を延ばすだけでなく、ビジネス価値を高めることができます。モダナイゼーションをして終わりではなく、その後の継続的な改善・運用が重要です。
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