システム開発を丸っと外部に委託することを「受託開発」と言います。
本記事では、受託開発の基本的な意味から、発注するメリット・デメリット、SESなどの他の開発形態との違い、具体的な開発プロセスまで、解説します。企業が受託開発を活用する際の注意点についても触れていきます。
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1.受託開発と他の開発形態との比較
現代のビジネスにおいて、システム開発は不可欠な要素となっています。しかし、全ての企業が自社で高度な開発能力やリソースを保有しているわけではありません。そこで手段の1つとして「受託開発」というものがあります。
受託開発とは、クライアント企業からの依頼に基づき、専門の開発会社がシステムやソフトウェアを設計・開発し、納品するサービスを指します。 この形態は、多岐にわたるITプロジェクトにおいて、企業が抱える開発リソースの課題を解決する有効な手段として広く活用されています。 受託開発を理解することで、より自社のニーズに合った開発会社を見つけることができるようになるのではないでしょうか。
1章では、受託開発とその他の開発形態との違いを紹介します。
| 項目 | 受託開発 | SES | 自社開発 |
|---|---|---|---|
| 契約形態 | 請負契約 | 準委任契約 | なし |
| 成果物 | 必要 | 不要 | 自社サービス |
| 指揮命令 | 受託会社 | 受託会社 | 自社 |
| 勤務場所 | 自社中心 | 客先常駐が多い | 自社 |
| 顧客 | 外部企業 | 外部企業 | エンドユーザー |
| 売上発生 | 成果物納品 | 工数提供 | サービス販売 |
| 開発内容 | 案件ごと | 案件ごと | 自社製品 |
| 技術選定 | 比較的自由 | 顧客依存 | 自由 |
| 納期責任 | 高い | 低い | 自社判断 |
| 利益率 | 中~高 | 中 | 高い場合あり |
| キャリア | 上流~下流 | 幅広い案件経験 | サービス成長経験 |
1-1.受託開発と自社開発の違い
受託開発は、文字通り「クライアントからの依頼を受けて開発を行う」形態です。クライアントが抱える課題や実現したい機能の要件をヒアリングし、それに基づいてシステムやソフトウェアの企画~設計~開発~テスト~納品まで、一連の開発プロセス全体を請け負います。開発会社は、クライアントから与えられた仕様書や要件定義書に従い、責任を持って成果物を完成させることが求められます。
一方、自社開発は、企業が自社の事業活動のために、自社内のリソース(エンジニア、予算、設備など)を用いてシステムを開発する形態を指します。自社で利用することを前提としているため、開発の自由度が高く、ビジネス戦略に沿った柔軟な機能追加や改善が可能です。しかし、自社開発には、高度な専門知識を持つエンジニアの確保、開発に必要な設備投資、プロジェクト管理能力など、多くのリソースとノウハウが求められます。
受託開発と自社開発の最も大きな違いは、「誰のために」「誰が」開発を行うかという点にあります。受託開発は外部のクライアントの要望に応えることを目的とし、専門性の高い外部企業が開発を担います。自社開発は、自社のビジネス成長や業務効率化を目的とし、自社社員が開発を担います。
どちらの形態が適しているかは、企業の規模、開発したいシステムの目的、利用可能なリソース、外部リソースの活用意向など、様々な要因によって異なります。自社開発では、開発したシステムが自社のビジネスに直結するため、その成果や効果を直接享受できるというメリットがありますが、その反面、開発に失敗した場合のリスクも自社で全て負担することになります。 受託開発は、外部の専門知識を活用することでリスクを分散し、専門性の高いシステムを比較的短期間で構築できる可能性があります。
1-2.受託開発とSES(システムエンジニアリングサービス)の違い
受託開発と混同されやすい形態として、SES(システムエンジニアリングサービス)があります。 両者は、ITエンジニアが関わるサービスであるという共通点がありますが、その契約内容と提供する価値には明確な違いがあります。
SESは、クライアント企業が必要とするスキルや経験を持つITエンジニアを、特定のプロジェクトや業務に「準委任契約」という形で派遣するサービスです。SESの主な目的は、クライアント企業が必要とする「労働力」や「人的リソース」を提供することにあります。現場に入ったエンジニアは、クライアント企業の指揮命令のもとで業務に従事します。この契約形態では、開発会社はエンジニアのスキルや経験を提供することに責任を持ちますが、プロジェクト全体の成果物に対する責任を直接負うわけではありません。
一方、受託開発は、前述の通りクライアントからの依頼に基づき、システムやソフトウェアという「成果物」を完成させることを約束する「請負契約」が基本となります。受託開発においては、開発会社は要件定義~設計~開発~テスト~納品までの一連のプロセス全体を責任持って遂行し、最終的な成果物の品質と完成に責任を負います。
要約すると、SESが「エンジニアという人材」を提供することに主眼を置くのに対し、受託開発は「完成したシステムという成果物」を提供することに重きを置いているのです。この「契約形態」と「提供する価値(人材か成果物か)」の違いが、受託開発とSESの最も根本的な相違点と言えます。
クライアント側から見ると、SESは自社のリソースだけでは不足する専門スキルを持った人材を補う目的で利用され、受託開発は自社で開発リソースを持たない、確保できない場合にシステム開発という「仕事」そのものを外部に委託する目的で利用されることが多いです。どちらのサービスを選択するかは、プロジェクトの目的や必要なリソース、リスク許容度などによって判断が異なってくるでしょう。
2.受託開発のメリット・デメリット
2章では、受託開発のメリットとデメリットを見てみましょう。
2-1.受託開発のメリット
受託開発を発注することには、企業にとって多くのメリットが存在します。
- 「開発工数の抑制」と「コスト削減」
システム開発には、高度な専門知識、豊富な経験、多大な時間と人員が必要です。これらのリソースを自社で全て賄おうとすると、多額の投資が必要となります。それが、受託開発を活用することで、専門知識や最新技術に精通した外部の開発会社に開発を委託することができます。これにより、自社のエンジニアやリソースへの負担を大幅に軽減し、本来注力すべきコア業務に集中することが可能になります。 - 高品質なシステムを効率的に開発
開発会社は、特定の分野において深い専門性や最新の技術ノウハウを持っているため、自社では実現が難しかった高度な機能や最新の技術トレンドを取り入れたシステム開発も、受託開発を通じて実現しやすくなります。 - 開発ノウハウの吸収
開発プロセスを外部に委託する過程で、プロジェクトの進め方、技術的な工夫、品質管理の手法などを間近で見たり、開発会社と協力したりすることで、自社エンジニアのスキルアップや知見の獲得につながることも期待できます。中長期的に見て自社のIT競争力を高める上で有益な手段かもしれません。 - 効果的な提案
プロジェクトの初期段階から開発会社の視点を取り入れることで、より客観的で効果的な提案を受けられることもあります。開発会社は多くのプロジェクトを手掛けているため、潜在的なリスクの発見や、より良い設計・実装方法の提案など、コンサルティング的な役割を果たすこともあります。
これらのメリットを享受することで、企業は開発プロジェクトを円滑に進め、ビジネス目標の達成を加速させることができるでしょう。
2-2.受託開発のデメリット
受託開発には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットや注意点も存在します。
- 自社エンジニアの育成機会の減少
開発の大部分を外部に委託してしまうと、自社のエンジニアが実際の開発プロセスに深く関わる機会が減り、実務を通じたスキルアップや経験の蓄積が難しくなる可能性があります。長期的に見て、自社でIT人材を育成・定着させたいと考えている企業にとっては、この点は慎重に考慮すべき事項となります。 - 開発途中の仕様変更や機能追加への対応が難しい
受託開発は、契約時に定められた要件定義や仕様書に基づいて開発が進められます。もし、開発途中で市場の変化や新たなビジネスニーズにより仕様を変更したい、機能を追加したいといった要望が出てきた場合、契約内容の変更が必要となり、追加費用や納期遅延の原因となることがあります。 - 開発会社とのコミュニケーションミス
コミュニケーションがうまくできていないと、期待通りの成果物が得られないリスクも存在します。 開発会社に丸投げするのではなく、発注者側も積極的にコミュニケーションを取り、プロジェクトの状況を把握し、意思決定を迅速に行う姿勢が求められます。 - 提案力や技術力が期待以下の可能性
開発会社によっては、表に出ているレベルよりも低い場合があります。安価な価格だけで開発会社を選定すると、品質の低下やスケジュールの遅延を招くリスクを高めることになります。
これらのデメリットを最小限に抑えるためには、発注者側が開発プロセスに主体的に関与し、開発会社との密な連携を保つことが不可欠です。 契約内容を事前にしっかりと確認し、リスクや責任範囲を明確にすることも、トラブルを避ける上で重要なので、がちがちに固めておきましょう。
3.受託開発の契約形態と責任範囲

受託開発における契約形態は、プロジェクトの性質や責任範囲を明確にする上で正確に把握しておくことは重要になってきます。
受託開発の基本的な契約形態は「請負契約」です。 請負契約とは、仕事の完成(ここではシステムやソフトウェアの納品)を目的として、発注者と開発会社の間で結ばれる契約です。この契約の最も重要な特徴は、開発会社が「成果物」の完成と納品に対して責任を負うという点にあります。
具体的には、契約内容に沿った成果物を期日までに納品する義務があり、もし成果物に契約不適合(瑕疵に相当する状態)があった場合、開発会社は契約不適合責任(修理、代替品の提供、損害賠償など)を負うことになります。請負契約は、開発会社に成果物完成への強いインセンティブを与えるため、品質向上や納期遵守に繋がりやすいという利点があります。発注者側は、仕様通りに完成した成果物を受け取る権利とその対価を支払う義務を負います。
一方、SESでよく見られる「準委任契約」とは異なります。準委任契約は、特定の業務を遂行すること(≒労働力の提供)を目的とする契約であり、成果物の完成に対する責任は請負契約ほど明確ではありません。準委任契約の場合、発注者はエンジニアの労働時間や技術力を提供してもらう対価として報酬を支払います。
受託開発では、請負契約が基本となるため、開発会社は成果物の品質、納期、契約内容に沿った機能を実現する責任を負います。発注者は、開発会社に対して「指揮命令権」を行使することは原則としてできません。指揮命令権は、開発会社が自社のエンジニアに対して行うものです。
これらの契約形態の違いを正しく理解することは、発注者、開発会社双方にとって、リスク管理、責任範囲の明確化、円滑なプロジェクト遂行のために重要です。契約内容、特に責任範囲、支払い条件、成果物の定義、検収プロセスなどを事前に十分確認しておきましょう。
4.受託開発の進め方
4章では、具体的にどのように受託開発を進めたら良いか解説します。

4-1. 開発会社への依頼と要件定義
受託開発プロジェクトの最初のステップは、開発会社への依頼と、それに伴う「要件定義」です。 まず、自社でどのようなシステムやソフトウェアを開発したいのか、その目的、解決したい課題、期待する機能などを明確にする必要があります。この段階で、漠然としたイメージだけでなく、できるだけ具体的に整理しておくことが重要です。
次に、この要望を外部の開発会社に伝えます。受託開発の経験が豊富な開発会社であれば、この段階から発注者の要望をヒアリングし、実現可能性の検討や効果的なシステムのあり方についてアドバイスをします。
※要件定義とは…開発するシステムが「何を」「どのように」実現すべきかを具体的に定義するプロセスです。ここには、システムの機能要件(ユーザーがシステムを使って何ができるか)、非機能要件(性能、セキュリティ、使いやすさなど)、そしてシステムが動作する環境などが含まれます。
発注者側は、自社のビジネス要件を正確に開発会社に伝え、開発会社はそれを技術的な仕様に落とし込む作業を行います。この要件定義が曖昧なまま進むと、後々の工程で手戻りが発生したり、期待と異なるシステムが完成したりするリスクが高まります。そのため、発注者側も積極的にこのプロセスに参加し、開発会社からの質問に誠実に回答することが求められます。この初期段階での丁寧なコミュニケーションと、双方の合意形成が失敗を避けるために必要になってきます。
要件定義の詳細は、「要件定義とは?基本設計/詳細設計との違いと進め方を解説」の記事を併せてご参照ください。
4-2. 打ち合わせと見積もり作成
要件定義がある程度固まったら、開発会社との具体的な打ち合わせを経て、開発にかかる費用と期間の見積もりを作成する段階に進みます。この打ち合わせでは、要件定義の内容について、開発会社がさらに詳細なヒアリングを行います。技術的な実現可能性、代替案の提示、リスクの洗い出しなど、開発会社としての専門的な視点からの検討が行われます。
発注者側は、この打ち合わせを通じて、開発会社の技術力や提案力、コミュニケーション能力などを評価する機会ともなります。不明な点や懸念事項があれば、この段階で遠慮なく質問し、解消しておくことが重要です。
打ち合わせで得られた情報をもとに、開発会社は「見積もり」を作成します。見積もりには、開発にかかる人件費、使用する技術、開発期間、最終的な総額などが記載されます。見積もり内容を精査する際には、単に金額だけでなく、どのような作業が含まれているのか、単価は妥当か、予備費は含まれているかなどを確認することが重要です。
複数の開発会社から見積もりを取ることも、市場価格の把握や条件の良い開発会社を選定するための有効な手段です。この段階で、発注者と開発会社の双方がプロジェクトのスコープ、予算、スケジュールについて共通認識を持つことになります。
4-3. 予算決定と開発開始

見積もり内容に双方が合意したら、正式に発注者が予算を決定し、開発会社との間で契約(多くの場合、請負契約)を締結します。契約締結後、いよいよ実際の開発作業が開始されます。この段階では、プロジェクトマネージャー(PM)が選任され、プロジェクト全体の進捗管理、リソース配分、品質管理などを担当します。
開発チームは、設計フェーズ以降の作業を進めていきます。発注者側はこの段階で、契約内容の再確認と開発会社との協力体制の構築です。契約書には、開発範囲、納期、検収条件、支払い条件、秘密保持義務などが明記されています。これらの内容を改めて確認することで、後々のトラブルを防ぐことができます。また、開発会社はあくまで外部のパートナーですが、プロジェクトを成功させるためには、発注者側も積極的な協力姿勢を示すことが重要です。
開発会社からの質問への迅速な回答、必要な情報提供、定期的な進捗確認への参加などを通じて、良好な協力関係を築くことが、プロジェクトの円滑な進行に繋がります。
4-4. 設計・実装・テスト
開発開始後、プロジェクトは「設計」「実装(コーディング)」「テスト」という主要なフェーズを順に進んでいきます。
- 「設計」フェーズ
要件定義で定められた内容をもとに、システム全体の構造、各機能の詳細な仕様、データベースの設計、画面デザイン(UI/UX)などが具体的に決定されます。この設計段階で、システムの品質や開発効率が大きく左右されます。 - 「実装(コーディング)」フェーズ
設計書に基づいて、プログラマーが実際にプログラムコードを記述していきます。ここでは、定められた仕様に従い、効率的で保守性の高いコードを書くことが求められます。 - 「テスト」フェーズ
実装されたコードが仕様通りに動作するかを確認するフェーズです。テストは、単体テスト(個々のプログラム部品のテスト)、結合テスト(複数の部品を組み合わせたテスト)、システムテスト(システム全体としてのテスト)など、段階的に行われます。
発注者側は、これらのフェーズにおいても、開発会社との連携を保ちましょう。設計書やテスト仕様書の内容を確認させてもらったり、テスト結果の報告を受けたりすることで、開発が適切に進んでいるか、仕様を満たしているかなどを把握することができます。特に、テストフェーズでは、発注者側が参加する「受け入れテスト(検収テスト)」が行われるのが一般的です。これは、開発されたシステムが発注者の要求を満たしているか、業務で問題なく利用できるかを確認する最終的なチェックとなります。この受け入れテストの結果をもって、開発会社が成果物を納品し、検収となります。
システム開発の進め方は、「システム開発の開発工程とは?10個のフェーズに分けて解説」の記事をご参照ください。
4-5. 開発中の進捗確認と打ち合わせ
受託開発プロジェクトは、一度契約したら終わり、というわけではありません。開発期間中は、定期的な「進捗確認」と「打ち合わせ」が不可欠です。進捗確認は、プロジェクトが計画通りに進んでいるか、遅延の兆候はないか、発生している問題はないかなどを把握するために行われます。
開発会社は、定期的に進捗状況を報告する義務があります。打ち合わせでは、報告された進捗状況の確認に加え、発生した課題の解決策の検討、仕様変更に関する協議、次の開発ステップの確認などが行われます。
発注者側は、これらの進捗確認や打ち合わせに積極的に参加し、開発状況を正確に把握することが重要です。もし、進捗が遅れている、あるいは想定外の問題が発生している場合は、早期に原因を特定し、開発会社と協力して解決策を見出す必要があります。
また、開発途中で仕様の変更や追加が発生する可能性も十分にあります。このような場合、安易に「できます」「大丈夫です」と安請け合いするのではなく、変更によって発生するコスト、納期への影響、技術的な実現可能性などを開発会社に確認し、慎重に判断することが大切です。
これらの確認や打ち合わせを怠ると、認識の齟齬が生じ、最終的な成果物に影響が出る可能性があります。
4-6. システムの完成と納品
全ての開発工程が完了し、最終的なテスト(受け入れテスト)で問題がないことが確認されたら、システムは完成し、発注者へ納品されます。納品時には、開発されたソースコード、ドキュメント(取扱説明書、設計書、運用マニュアルなど)、必要に応じてユーザーアカウント情報などが引き渡されます。納品後、発注者は正式に「検収」を行います。 検収とは、納品された成果物が契約内容に適合しているかを確認するプロセスです。
もし、検収の段階で、契約内容と異なる不具合や仕様との相違が発見された場合、発注者は開発会社に対して、修正を求めることができます(契約不適合責任に基づく対応)。検収が完了し、問題がなければ、開発会社への最終的な支払いが行われます。
納品後も、システムは稼働し続けます。その後の保守・運用についても、別途契約を結ぶ場合や開発会社に依頼するケースがあります。システムの運用状況を注視し、必要に応じて開発会社と連携しながら、システムの価値を高めていきましょう。
5.受託開発で成功するためのポイント
最後に、受託開発を進めるのにあたり成功するためのポイントを解説します。
5-1.信頼できる開発パートナーの選定
受託開発の成功を左右する最も重要な要素の一つが、「信頼できる開発パートナーの選定」です。開発パートナーを選ぶ際には、単に価格の安さだけで判断するのではなく、以下の点を総合的に評価することが不可欠です。
1.実績と専門性
過去にどのようなプロジェクトを手掛けてきたか、自社の開発したいシステムと類似の経験があるかを確認します。特に、特定の技術分野や業界における専門性の高さは、プロジェクトの品質に直結します。
2.技術力
最新の技術トレンドへの対応力、コードの品質、開発プロセスの成熟度などを評価します。可能であれば、技術面での強みを持つエンジニアとの面談も有効です。
3.コミュニケーション能力
発注者の要望を正確に理解し、的確に説明する能力、質問に対して誠実に回答する姿勢があるかを見極めます。円滑なコミュニケーションは、プロジェクト進行の要です。
4.提案力
要件定義の段階から、より良いシステム構築のための提案をしてくれるかどうかも重要なポイントです。受動的に指示を待つだけでなく、主体的にプロジェクトに関わってくれるパートナーは、プロジェクトを成功に導く可能性を高めます。
5.企業文化や価値観
会社の理念や、エンジニアの働き方、品質への考え方などが、自社の文化と大きく乖離していないかも、長期的なパートナーシップを築く上で考慮すると良いでしょう。
これらの要素を多角的に評価し、自社のニーズに合致し、長期的な信頼関係を築ける開発パートナーを選定することが、プロジェクト成功の第一歩となります。
5-2.明確な要件定義とコミュニケーション

受託開発を成功させるためには、「明確な要件定義」と「密なコミュニケーション」が重要になってきます。
- 明確な要件定義
発注者側は、自社がシステムに何を求めているのか、どのような課題を解決したいのか、どのような機能が必要なのかを、できるだけ具体的且つ網羅的に整理する必要があります。要件定義が曖昧なまま開発を開始してしまうと、開発途中で「思っていたものと違う」という事態が発生しやすくなり、手戻りや追加コストの発生、納期遅延の原因となります。開発会社に自社のビジネス要件を正確に伝え、彼らがそれを技術仕様に落とし込めるよう、丁寧なヒアリングと確認作業が求められます。 - 密なコミュニケーション
受託開発は、発注者と開発会社が協力して進めるプロジェクトです。 開発会社に一方的に丸投げするのではなく、発注者側もプロジェクトの進捗状況を定期的に確認し、発生している問題や課題について、開発会社と率直に意見交換を行うことが重要です。 打ち合わせの機会を有効活用し、不明な点はすぐに質問し、疑問や懸念を解消していく姿勢が大切です。 また、仕様変更が発生した場合なども、その影響(コスト、納期など)を開発会社と十分に協議し、合意形成を図る必要があります。 発注者側が開発プロセスに主体的に関与し、開発会社との間に良好な信頼関係と協力体制を築くことが、プロジェクトを円滑に進め、期待通りの成果を得るための鍵となります。
5-3.契約内容の十分な確認
受託開発プロジェクトを成功させるためには、契約締結前に「契約内容の十分な確認」を徹底することが重要です。
契約書は、プロジェクトにおける両者の権利、義務、責任範囲などを定めた法的な文書であり、後々のトラブルを防ぐための最も重要な決まり事になります。特に、以下の項目については、内容をしっかりと理解し、不明な点があれば必ず開発会社に質問し、納得いくまで確認することが必要です。
1.開発範囲(スコープ)
どこまでが開発対象で、どこからが対象外なのかを明確に定義します。曖昧な定義は、後々の「追加開発」「範囲外」といったトラブルの原因となります。
2.成果物の定義
どのような形式で、どのような内容の成果物を納品するのかを具体的に定めます。ソースコード、ドキュメント、テスト結果報告書などの内容を確認します。
3. 納期
プロジェクトの完了時期、各フェーズの完了時期などを明確に定めます。
4. 支払い条件
契約金の総額、支払い時期(着手金、中間金、完了時など)、支払い方法などを定めます。
5. 検収条件
納品された成果物をいつ、どのように確認し、検収完了とするのか、その基準を定めます。
6. 責任範囲
開発会社が負う責任(契約不適合責任など)の範囲と期間、および発注者側の責任を明確にします。
7. 秘密保持義務
プロジェクトを通じて知り得た機密情報をどのように取り扱うかを定めます。
8. 仕様変更時の対応
開発途中で仕様変更が発生した場合の、手続き、費用、納期への影響などを定めます。
これらの項目を詳細に確認し、必要であれば契約書の修正を依頼することも検討するようにしましょう。
6.受託開発に関するFAQ
Q. 受託開発とは具体的にどのようなサービスですか?
受託開発とは、発注者側からの依頼に基づき、弊社のような開発会社がシステムやソフトウェアを設計・開発し、完成した成果物を納品するサービスです。要件定義、設計、開発、テスト、納品までの一連のプロセスを開発会社が請け負います。発注者は、自社で開発リソースを持たなくても、専門的な技術力やノウハウを持つ外部企業を活用して、必要なシステムを構築することができます。 開発会社は「請負契約」に基づき、成果物の完成に責任を負います。
Q. 受託開発を発注する際に注意すべき点は?
受託開発を発注する際の注意点としては下記が挙げられます。
- 明確な要件定義
自社のニーズを具体的に整理し、開発会社に正確に伝える - 信頼できる開発パートナーの選定
実績、技術力、コミュニケーション能力などを慎重に評価する - 契約内容の十分な確認
責任範囲、納期、支払い条件、検収プロセスなどを明確にしておく - 密なコミュニケーション
開発会社に丸投げするのではなく、進捗状況を把握し、積極的に意見交換を行う
Q. 受託開発とSESの違いを教えてください。
受託開発とSESの最も大きな違いは、「提供する価値」と「契約形態」にあります。受託開発は、「請負契約」に基づいて、システムという「成果物」の完成に責任を負います。SESは、「準委任契約」に基づいて、ITエンジニアの「労働力(人材)」を提供することに主眼を置きます。
つまり、受託開発は「完成したシステム」を納品することが目的であり、SESは「プロジェクトに必要なスキルを持つエンジニアを派遣」することが目的となります。
Q. 請負契約における開発会社の責任範囲は?
請負契約における開発会社の主な責任は、「契約内容に沿った成果物を、定められた期日までに完成・納品する」ことです。 具体的には、以下のような責任が含まれます。
1.成果物完成責任
契約で定められた仕様や要件を満たすシステムを完成させる義務があります。
2. 契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)
納品された成果物に、契約内容に適合しない点(不具合、バグなど)があった場合、開発会社は責任を負います。これには、修正(修理)、代替品の提供、損害賠償などが含まれる場合があります。
発注者側は、契約内容や検収プロセスを明確にすることで、開発会社の責任範囲を具体的に定義し、プロジェクトのリスクを管理することができます。 契約書にこれらの責任範囲が明確に記載されているかを確認することが重要です。
「受託開発」まとめ
本記事では、受託開発の基本から自社開発やSESとの違い、発注するメリット・デメリット、契約形態、開発の進め方に解説してきました。
受託開発は、企業が自社のリソースやノウハウだけでは実現が難しいシステム開発を、弊社のようなシステム開発の専門企業に依頼する形態です。開発工数の抑制、コスト削減、高品質なシステム開発、自社ノウハウの獲得などのメリットがあります。
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